先物トレーダーのためのポジションサイジング手法を徹底解説
ポジションサイジングの手法を解説。固定枚数、定率リスク、ATRによるボラティリティ調整、ケリー基準、プロップファームのドローダウンに合わせたサイズ、マイクロ先物での端数処理まで。
多くのトレーダーは、いつエントリーするかに時間の大半を使い、どれだけ張るかにはほとんど時間をかけません。しかし連敗が小さなつまずきで済むか口座の終わりになるかは、ほぼポジションサイズで決まります。この記事では、よく使われる手法を仮の例だけを使って解説します。
ポジションサイジングがこれほど重要な理由
まったく同じ戦略、同じエントリーとエグジットでも、ポジションサイズが違えば結果はまったく変わります。大きすぎれば口座の振れ幅が膨らみ、ありふれた連敗で吹き飛びます。小さすぎれば口座は安全でも、エッジを生かしきれません。
ポジションサイジングは、リスク管理の中で最も自動化しやすい部分でもあります。ルールを決めてしまえば、コンピューターは感情を挟まずにすべてのトレードに適用できます。アルゴトレーダーのためのリスク管理もあわせてご覧ください。
手法1:固定枚数
最もシンプルな手法です。状況にかかわらず、常に同じ枚数、たとえばMNQを2枚取引します。
- 長所:理解しやすく実行しやすい。期間ごとの成績を比較しやすい。
- 短所:ストップ幅によってトレードごとのドル建てリスクが変わる。40ポイントのストップのトレードは、10ポイントのストップのトレードの4倍のリスクを負います。
ストップ幅がほぼ一定の戦略や、検証段階の出発点に向いています。
手法2:定率リスク
この手法では、1トレードでいくらまで失ってよいかを事前に決め、ストップ幅から枚数を計算します。
枚数 = リスク額 ÷(ストップ幅のポイント数 × 1枚あたりのポイント価値)
仮の例です。$50,000の口座で1トレードあたり0.5%、つまり$250をリスクにするとします。MNQは1枚あたり1ポイント$2です。ストップが25ポイントなら1枚あたりのリスクは$50なので5枚。ストップが50ポイントなら2枚です(2.5を切り捨て)。
- 長所:どのトレードでもドル建てリスクがほぼ均一になり、口座が減ればサイズも自動的に縮小する。
- 短所:トレードごとに計算が必要で、ストップが計画どおりの価格で約定することが前提になる。
手法3:ボラティリティに基づくサイジング(ATR)
ATR(Average True Range)は、直近の期間における1本の足の平均的な値幅を測る指標です。この手法では、相場が荒れているときはポジションを小さく、落ち着いているときは大きくして、想定リスクを同程度に保ちます。
よくあるやり方は、ストップをATRの倍数(たとえば1.5倍)で設定し、そのうえで定率リスクの方法で枚数を計算するものです。仮の例として、ATRが20ポイントから40ポイントに上がれば、ストップは2倍になり枚数は半分になります。
- 長所:状況の変化に適応し、荒れた日にストップがきつすぎる事態を避けられる。
- 短所:ATRは遅行するため、ボラティリティが急変した局面では前の期間を反映したままになる。
手法4:ケリー基準と注意すべき理由
ケリー基準は、賭けと情報理論から生まれた公式で、勝率と損益比が与えられたときに長期的な成長を最大化するには資金の何割をリスクにすべきかを計算します。単純な形では次のとおりです。
ケリー比率 = 勝率 −(負ける確率 ÷ 損益比)
仮の例です。勝率50%、損益比1.5なら、0.5 − 0.5/1.5で、1トレードあたり資金の約17%になります。ほとんどのトレーダーにとって非常に大きな数字です。
実務上の問題は次のとおりです。
- この公式は真の確率がわかっていることを前提にしています。実際に手元にあるのはバックテストの推定値だけで、それはおそらく楽観的です。トレード戦略の過剰最適化を参照してください。
- 入力が正しくても、フルケリーは非常に激しい振れと深いドローダウンを生みます。
- プロップファームの最大ドローダウンのような外部の制約を考慮していません。
そのため、この考え方を使う人も、たいていはその一部(ハーフケリー、クォーターケリー、あるいはそれ以下)だけを採用し、目標ではなく上限として扱います。
プロップファームのドローダウンに合わせたサイジング
プロップファームの口座では、本当の資産は名目上の口座サイズではなく、ドローダウン上限までの距離です。最大ドローダウンが$2,000の$50,000口座(仮の数字)は、リスクの観点では$2,000の口座のように振る舞います。
したがって、1トレードあたりのリスクは口座サイズではなく、ドローダウンまでの距離に対する割合で計算するのが理にかなっています。
- $50,000の0.5%をリスクにすると$250で、許容ドローダウンの12.5%です。8連敗で終わりです。
- ドローダウンの5%をリスクにすると$100で、はるかに長い連敗にも耐える余地が残ります。
ドローダウンがトレーリング型なら、距離は時間とともに変わるので再計算が必要です。プロップファームのドローダウンの種類を参照し、最新のルールは必ずファームの公式ヘルプセンターで確認してください。
端数処理とマイクロ先物
先物は整数枚でしか取引できないため、計算結果にはほぼ必ず端数処理が必要です。シンプルなルールは「常に切り捨て」。切り上げると、決めたリスクを知らないうちに超えてしまいます。
マイクロ先物(MNQ、MES)はE-mini(NQ、ES)の10分の1のサイズなので、ずっと細かくサイズを調整できます。計算結果がNQ 0.6枚なら取引できませんが、MNQ 6枚なら取引できます。詳しくはマイクロ先物とミニ先物の違いをご覧ください。
まとめ
- 連敗がつまずきで済むか口座の終わりになるかは、ポジションサイズが決めます。
- 固定枚数はシンプルですがドル建てリスクが変動し、定率リスクはそれを均します。
- ATRによるサイジングはリスクをボラティリティに合わせます。
- フルケリーはほとんどのトレーダーには攻撃的すぎます。使うとしてもごく一部だけにしましょう。
- プロップファームではドローダウンを基準にサイズを決め、切り捨てを徹底し、精度が必要ならマイクロを使いましょう。
WeCoreでは、口座ごとのポジションサイズと、自動的に適用される枚数の上限を設定できます。壊れたシグナルが届いても、設定した上限を超えることはありません。設定はまずシミュレーションモードで試せます。